止めるのは、いつだってできる。だから、続けようと思う

自分を守るため、もしくは誰かを守るため、戦わなければならない時に一番重要なことは、常に頭に置いておくべきことは――“不意打ちをする”ことです。相手に準備も心構えもないうちに、もしくは向こうのパースエイダーの届かないところから、一方的に弾丸を撃ち込み殺してしまう。それができないのなら、それができるように最大限の努力をするべきですし、それができるように一度逃げるのも立派な方法です。より卑怯な方法ほど、より確実な方法なのです。――私たちがこの勝負であなたに教えたかったのは、つまりはそんなことだったのですよ。あなたは自分でそれに気づいて、立派に成し遂げました。あの人が嬉しそうだったように、私もまた嬉しく思います
 

キノの旅 九巻 第十一話「説得力Ⅱ」